třebíč トジェビーチ
<概略>
文化遺産②③(2003年登録)
登録範囲:プラハの南東約140km、トジェビーチの町に残るユダヤ人街、ユダヤ人墓地、プロコピウス聖堂。
トジェビーチの特徴は中世のユダヤ人街が残るだけではなく、ジフラヴァ川で隔てられることなく、川の北側にユダヤ人街、ユダヤ人墓地、プロコピウス聖堂が築かれ、ユダヤ教徒とキリスト教徒が共存の歴史を歩んできたことにあります。
ユダヤ人街には1階に商店、2階に住居という家並みやシナゴーグ、皮製品の工房などがあり、丘の北斜面にあるユダヤ人墓地を含め、ディアスポラの伝統文化を色濃く残しています。
丘の頂に建つプロコピウス聖堂は、13世紀初頭にベネディクト会修道院の一部として建造され、その後16世紀に改築された為に、フランスやドイツの影響を受けたロマネスクと初期ゴシック様式の特徴を兼ね備えたものです。
トジェビーチには500年間、キリスト教文化の中にユダヤ人文化が共存してきました。それを象徴する聖プロコピウス聖堂とユダヤ人地区の2つが世界遺産になっています。ロマネスクからゴシックへと建築様式が変わる過渡期に造られた聖プロコピウス聖堂は、2つの様式が混ざる貴重な建築物です。そして、その麓にあるユダヤ人地区はヨーロッパで唯一、昔の姿のまま完全に残されたユダヤ人居住区です。
ユダヤ人はキリスト教世界で差別を受け、ゲットーと呼ばれる居住区に隔離されてきました。そのなかでトジェビーチでは、商売に秀でたユダヤ人が町の産業を支えることで、500年間上手に共存してきたのです。しかしナチスドイツが町のユダヤ人全員を収容所に送ったためほとんどが殺されて、ユダヤ人地区には一人のユダヤ人も住まなくなったのです。