菌による日本の放射性物質汚染土壌浄化方法
(Myco-remediation of the Japanese Landscape After Radioactive Fallout)
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ポール・ステーメッツ
2011年3月29日
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多くの人が私に「放射能によって汚染された日本の地域を浄化するのを助ける方法はないのか?」と同じ質問してきます。
甚大かつ前例のない自然と人間によっておこされた災害を改善していくためには、大規模で完璧な今までにない新しいアプローチが必要です。今までにないこのような事態には、協力、調査、知恵が必要になります。
原子力発電所から出た放射能によって、原子炉の近隣に人々は住み続けることはできなくなるでしょう。地震と津波によって原子炉の近くに多くの瓦礫の破片が積み上げられています。この瓦礫の多くは木です。多くの菌が活用できる理由は、菌が木々を分解し森林の生態系の基礎を作り出すのです。 私からの提案は下記です。
1、 まず原発の近くの地域から避難すること。
2、 色々な分野の高レベルの専門家を集めた浄化チームを作る事。そのチームの中には、森の研究者、菌学者、原子力・放射能専門家、政府関係者、市民を入れることが必要です。
3、 「放射能回復森林地域」を指定し、フェンスで囲って仕切ります。
4、 壊れた建物や木からの木の破片を小片にし、高いレベルで放射能汚染された地域全体にばらまきます。
5、 最低でも12-24インチの深さまで、その小片を根覆いします。
6、 その土地の落葉樹・針葉樹を植えます。また、樹木と共生し、放射能性物質を蓄積するキノコ類を植えます。特にシロエノクギタケ, Craterellus tubaeformis(和名不明),ウラムラサキなどのマツに自然に生息するキノコなどです。シロエノクギタケの菌 類は、土壌に蔓延する菌糸を通して、放射性セシウム137を周囲の土地と比べて10,000倍以上の力で濃縮し吸収することが分かっています。他の菌根のキノコ類も放射性物質を蓄積します。
7、 キノコ類が生えるのを待ち、放射能に対する装備をした部隊がキノコを収穫します。
8、 何度も放射性物質(特にセシウム137)を蓄積したキノコ類を取り除き焼却炉で燃やし、残った灰は放射性廃棄物として取り扱います。この灰はガラス状にして固めたり、最先端技術を使って保存します。
他のキノコの菌類を使った放射性物質の蓄積したサンプルを取るなどして、生態系修復を助けるにはどうすればよいかをたくさん学ぶことができるでしょう。調査では、いくつかのキノコ類が放射性物質を蓄積する化合物を作るだけでなく、菌根の菌類の結合や放射性成分の隔離も見られます。そうすることによって、ある程度の長い間そこに固定するのです。驚くことに、チェルノブイリの災害で、メラニンを生成する菌類は放射性物質によって刺激され成長することが分かっています。
このプロセスに関する知識は、現在の危機によって影響を受けた地域に利益があるだけでなく、将来的な心構えや将来的な放射能の浄化への助けとなるのです。
この浄化にどれぐらいの期間が必要なのでしょうか?正直言って明確な答えはありません。ただ、10年以上はかかるでしょう。しかしながら、森林化された国立公園(放射能回復森林地域)は、多くの生態系や文化的側面において、未来の世代に最終的には利益を生むでしょう。
私は他の実用的な救済策は知りません。道理にかなう解決方法に取り組む前例のない機会に恵まれるかもわかりません。
翻訳:Ruri
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