ロナ
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スピリチュアル・ジャーニー IN 箱根
.~大自然と一つになった箱根でのワーク~
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2012年秋 スピリチュアル・ジャーニー IN 箱根に参加された方からのレポートを紹介します。
8月のチェコでワークの感想として「深い満足」という言葉を使いました。ゆったりとした時間の流れに身をゆだねた、ある種貴族的なワークだったように感じます。そして、日本で初めて行われた「スピリチュアル・ジャーニー in 箱根」。日本人として非常に意義深いワークであり、「冒険」でした。
11月3日、薄曇りの空に時おり太陽が顔をのぞかせる、少し肌寒い日でした。集合場所のホテルに参加者全員が到着するのを待って、元気に出発しました。今回の参加者は10名。そのうちチェコの参加者は5名でした。お互いの近況を話したり、初対面の参加者ともスピリチュアルな話に花を咲かせながら、子どもの遠足のように和気あいあいと歩いていました。向かう先は「白龍神社」と「九頭龍神社」がある「箱根九頭龍の森」。
急な山道ではありませんが、なだらかながらアップダウンのある道を、イルカさんがものすごいスピードで歩いていきます。
そして「come come come, go go go, run run run」と言って、まるで牧羊犬のように私たちを追い立てるのでした。
ヒイヒイ・ゼイゼイしていると「コンセントレーションしなさい」と、さらに追い討ちをかけます。
「はい」と返事はしましたが、息を整えるのが精一杯でした。
「白龍神社」と「九頭龍神社」を内包する「箱根九頭龍の森」は、企業の敷地内にある広々とした公園で、現在はNPO法人の手によって整備されているそうです。「白龍神社」「九頭龍神社」それぞれで参拝し境内の雰囲気を楽しんだあと、ワークの場所へ移動しました。
道をそれて草地に分け入ると、何層にも草が積もっているのかとてもふわふわしたベッドのような草はらで、スニーカーでもバランスを崩してしまいそうです。こんな場所は初めてでした。
その草地の一番奥に、ちょうどサークルのように木が並んでいる場所があり、そこがイルカさんの選んだワークの場所でした。それぞれが好きな場所に座り、いよいよイルカさんのワークが始まります。
「龍についてどんな印象がありますか?」そうして始まったのは「龍」という存在についての講義でした。古代の日本人はケルト人のドルイドと同じように、母なる地球で「火」「風」「水」「土」この四つのエレメントを司る「龍」について正しい知識をもち、繋がることができました。しかし現在では、この繋がりは失われてしまっているそうです。「龍」と呼ばれるエネルギー体には2種類あり、1つはすでに書いた通り、4つのエレメントを司る存在で、もう1つは自然を守る役目のコビトやエルフ達と同じような存在です。
古代日本において、この箱根は、「龍」とのワークに非常に適した場所であったそうです。湖に近いこの場所は、「水」と「土」。翌日の大涌谷は「火」と「風」。現在神社のある場所は、「龍」と繋がることができた頃にその場所でワークをしていたという名残なのだそうです。先ほどの私たちの神社参拝の様子を見ていたイルカさんが、笑いながらいいました。「大地に感謝をするならば、お金ではなく、とうもろこしにするべきです。お金は大地には役に立たないもの。お金はそれを集めている人の役に立つものだからです」と。
この日は、豊かな自然の中で会うことのできる「エルフ、コビト、龍、妖精」と触れ合う瞑想となりました。風の音、小鳥のさえずり、虫の声に耳を澄まし・・・と、いきなりチェーンソーの音が鳴り響きました。それはまるで木の悲鳴のようです。思わず「人間の勝手で自然を痛めつけてしまい、すみません」と心の中で謝りました。「自然を保つために、人の手を加えることは必要」という意見があることは知っていますが、この時のチェーンソーの音は、私には悲しい悲鳴としてしか聞こえませんでした。自然との関わり、自然を楽しむこと、その事を考えさせられる瞬間でしたが、しかし、実はこの事が今回のジャーニーの重要なテーマとなりました。
耳障りな金属音や、地面から伝わる冷たさ、汗が引いたあとの寒さが集中を阻みます。
それでも1人のコビトが私のところに来てくれました。座っている私の肩ぐらいの高さで、ずんぐりとした体は全体的に茶色でした。彼は何も話しませんが敵意は感じられません。イルカさんの「触れ合いましょう」という言葉を聞くと、彼は私の足の上に、私に背を向けて座りました。私たちはそのまましばらくの間、ただじっと同じ方向を向いて座っていました。彼はやがておもむろに立ち上がると、私を意識することもなく、現れた方向へ帰って行きました。「さよならの挨拶をしましょう」コビトが去っていくと同時にイルカさんの声がします。私はもうすっかり存在が見えなくなってしまったコビトに、心の中で「さようなら」とつぶやきました。
湖尻のレストランで食事にありつけたのは、お昼の時間を随分過ぎてからでした。朝の5時にバナナを1本食べただけだった私は、食事を美味しくいただきました。湖尻からホテルまでの20分ほどの距離は、上り坂ということもあって、満腹になった私には非常にキツイ道のりでした。
やっとホテルに到着し、一旦部屋に荷物を運び着替えをして、今度は屋内ワークです。講義は2日間にわたって1つのテーマでしたので、最後にまとめて書きたいと思います。
2日目は快晴です。荷物をまとめセミナー会場に置いたあと、9時に大涌谷に向けて出発しました。ロープウェイからは美しく色付いた紅葉と、真っ青な空に白い雪を頂いた富士山が見えました。わずか20分弱の乗車時間でしたが、笑い声に溢れた楽しい時間でした。
大涌谷は、思わず両手を広げて「うぁ~~」と言ってしまったくらい、気持ちのいいパワーに溢れる場所です。私たちは神山の瞑想する場所を目指して、昨日よりもはるかに厳しい山道を登り始めました。
昨日と同じくイルカさんの「go go go, run run run」という声が頭の上から届くのですが、体が思うようについていきません。所々で休んでは呼吸を整えてまた登る、ということを繰り返しました。
やっとの思いで瞑想の場所にたどり着きました。そこはイルカさんが見つけた秘密の場所です。登山道からちょっと外れたその場所は、とても優しいエネルギーに溢れていました。
「ここがいいな」と思って腰を下ろすと、私はすぐに瞑想状態になりました。まるでその場所と自分の体が一体になり溶け込んでしまった感覚です。イルカさんの誘導瞑想が始まる頃には、もうすっかり山の一部になっていました。そして自分の肉体が見えなくなり、正八面体の光になっていました。私の周りには形は小さいけれど、同じような光がいくつも見えて、それは虫たちだと感じました。私は虫が苦手です。でもその時知ったことは、「虫も私と同じ光(エネルギー)の存在なんだ」ということでした。そう思うと虫達のことが全く気にならなくなりました。自分が正八面体の光になっていたのは本当に短い時間でしたが、初めての経験でした。
そして、自分のエネルギーがこの場所のエネルギーと溶け合っている、この感覚はその場所を離れるまでずっと続きました。
前日の屋外ワークの時もそうでしたが、イルカさんは瞑想のあと、自分のいた場所の草や土、石や木を触ったり叩いたり、匂いを嗅いだりするようにと言いました。何故そのようなことをするのか。屋外でのワークでは、意識だけではなく体全体で感じることが大事だからです。私たちを追い立てて疲れさせることで頭の中を空にし、体を使って自然を感じることで実践的な瞑想となり、深い体験となるのです。
「景色を楽しんで名物を食べることでは、自然からのエネルギーを受け取ることはできない」と、イルカさんは何度も言いました。本当の意味で自然と調和することで、癒されエネルギーを受け取ることができるのです。そう言われて気がつきました。ストレス発散のために美しい自然を求めて出かけても、帰宅すると別の疲れに包まれていることを。それは自然に癒されたのではなく、マーケティングに踊らされた結果なのです。イルカさんは、私たちが忘れてしまった自然を楽しむことや調和する方法を教えてくれたのです。
ホテルでのワークは「日本のカルマ」というテーマでした。日本に深い知識を授けた人々は、いつどこから来たのか。そして歴史上の出来事はどのような意味を持っていたのか。今、日本はどのような状況にあるのか。
私たちは、今この時を、日本人として生きています。それは偶然ではなく、自分で選んで生まれてきていると多くの人々が言います。実際、今の日本は大きな分かれ道にあると言えるでしょう。日本人としてのアイデンティティを取り戻すのか、それとも完全に失うのか。その鍵となるのはアメリカの存在なのだそうです。
日本に溢れる商業主義と経済優先型の社会。東日本大震災をもってしても、原子力発電に固執する政府や企業。そこに日本人としてのアイデンティティはありません。
アメリカに対して「NO!」と声を上げること、日本人のアイデンティティについて深く考えること、それが「日本のカルマ」を解消する方法なのです。そして、それができるのは一般国民だけなのだと、イルカさんは強く主張しました。システムを変えられないからと諦めてしまっては、何も変わりません。一人ひとりが「NO!」という声を上げることが日本を変えていくことなのです。
私達が古代の日本人と同じ生活をすることはできませんが、彼らの知識、宇宙の方式や母なる地球に関する深い知識を学び、自然と調和する生活を選ぶことはできると思います。生活の場のすぐそばに豊かな自然とその細微な音を楽しめる環境がある、そんな未来を作るために、私たちはこの時を選んで生まれてきたのではないでしょうか。