ルーン文字は主に2~8世紀、地域により12世紀まで使われた音素文字システムです。ゲルマン語の表記に用いられた文字として、中央ヨーロッパ、北欧やブリテン諸島で普及し、その元であったイタリア文字のように日常の目的で使われ、話し言葉をそのまま表記できる文字になっていました。儀式や占いの目的でも用いられましたが、それは特にラテン文字が普及した後のことです。石あるいは木の板に刻むことが多いのですが、それ以外、主として儀式の目的では羊皮紙も使われており、たまに書き手が自分の血で色をつけていたことがあります。
ゲルマン民族の神話では、ルーン文字が神から授かったという起源が述べられています。主神のオーディンはより高度な知識を獲得するために、自分の身を捧げたとのことです。その知識は後に、エルフ、デワーフ、巨人、そして人間にも伝えられました。神から授かったものとして、ルーン文字を扱うには多くの技や知識が求められ、しばしば女性であったルーンマスターがそれを呪術、占い、治療、そして詩などの記述に用いました。
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地方や文化により、若干の差やバリエーションが存在しますが、ルーン文字のアルファベット(最初の6つの文字から「フサルク」と呼ばれる)をおおまかに三つの体系に分けることができます。
・年長フサルク=ゲルマンの単体フサルク、2~8世紀、現代のドイツ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンなど。このシステムが共通ゲルマン・ルーンとも呼ばれ、あわせて24字で構成されています。後に年長フサルクからアングロ・サクソンのフソルク(28字、「a」⇒「o」という発音の変化により「フサルク」が「フソルク」と呼ばれるようになりました。)とバイキングのフソルクが発展してきました。
・若手フサルク=北欧ルーン、9~11世紀、現代のデンマーク、ノルウェー、スウェーデン。バイキングのフソルクとも呼ばれます。年長フサルクと比べて、文字がやや単体化されました。古ノルド語の影響を受けながら発展していたと思われます。
・中世ルーン、12~15世紀、27字、スカンディナビア。若手フサルクが起源で、この中世バージョンがさらなる単体化を経て、ローマ字と競い合いながら、特に古ノルド語の表記に使われていました。
現在、占いなどに一番よく使われるのは共通ゲルマン・ルーンです。その24字は三つの「神一族」と呼ばれるグループに分けられます。
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フレイ一族:Fehu(フェフ)、Uruz(ウルズ)、Thurisaz(スリサズ)、Ansuz(アンスズ)、Raidho(ライドー)、Kenaz(ケナズ)、Gebo(ギーボ)、Wunjo(ウンジョ)
ハガラズ一族:Hagalaz(ハガラズ)、Nauthiz(ナウシズ)、Isa(イサ)、Jera(ヤラ)、Eihwaz(エイワズ)、Perthro(ペースロ)、Algiz(アルジズ)、Sowilo(ソウィロ)
テュール一族:Tiwaz(ティワズ)、Berkano(ベルカノ)、Ehwaz(ヘワズ)、Mannaz(マンナズ)、Laguz(ラグズ)、Ingwaz(インガズ)、Othila(オシラ)、Dagaz(ダガズ)
編集者:ホンザ
画像の引用:http://moje-kniha-stinu.blog.cz
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